航空局標準マニュアルについて解説!【ドローン飛行許可】

ドローン

飛行許可・承認を取得するためには飛行許可申請を行う必要があります。航空機飛行マニュアルとは、国土交通省が作成したもので安全飛行を実現するために守らなければなりません。この飛行マニュアルは許可・承認の判断材料となる極めて重要なものです。

研究開発・空中散布・インフラ点検用などいくつか種類がありますが、多くの方にとって特に重要となるのが航空機飛行マニュアル①と②になります。

本記事では、多くの方が利用する「航空機飛行マニュアル」について深く掘り下げて解説をしていきます。

航空機飛行マニュアルについて

航空機飛行マニュアルは、大きく分けて3つの章で構成されています。

機体の点検・整備(1章)

第1章では、大きく「機体の点検・整備の方法」「点検・整備記録の作成」について記載されています。

「機体の点検・整備」の方法については、飛行前・飛行後・20時間ごとの点検項目が定められています。

「点検・整備記録の作成」の方法について、「機体の点検・整備」を行った際には、「無人航空機の飛行日誌の取扱要領」に従い、点検・整備記録を作成し管理しておく必要があります。

飛行させる者の訓練及び遵守事項(2章)

第2章は「無人航空機を飛行させる者の訓練及び遵守事項」について定めています。

まず、基本的な操縦技量の習得及び業務を実施するために必要な操縦技量を習得する必要があります。ここの表に定められた項目(対面飛行等)については夜間・目視外においても操作が安定して行えるように、練習を行う必要があります。

遵守しなければならない事項として、「安全に飛行できなくなるような不測の事態が発生した場合には即時に飛行を中止する」「アルコール影響下での飛行禁止」など、基本的なルールが網羅されています。

安全確保体制(3章)

実際の飛行現場でどのように安全を担保するかを具体的に定められています。

3-1 無人航空機を飛行させる際の基本的な体制

第三者の上空では飛行させませんので、飛行範囲への第三者の立入があった際は、飛行の中止等の措置を行う必要があります。

また、風速5m/s以上、雨天、霧など十分な視程が確保できない状態での飛行についても禁止されています。もっとも、ドローンの性能によりこのような状況下においても安全に飛行できることが保証されている場合には、その範囲内での飛行が認められます。

飛行させる際には、安全を確保するために必要な人数の補助者を配置する事が必要になります。
◯飛行範囲に第三者が立ち入らないよう注意喚起を行う
◯飛行経路全体を見渡せる位置において、飛行状況及び周囲の気象状況の変化等を監視し、安全に飛行させることができるように必要な助言を行うなどが補助者の役割になります。
もっとも、塀やフェンス等を設置することや、「立入制限区画」を明示し、第三者の立ち入りを確実に制限できる場合は、補助者の配置を省略できます。

そして、学校、病院、鉄道上・観光施設などの不特定多数の人が集まる場所の上空やその付近は飛行させることができません。飛行が避けられない場合については、飛行経路を限定した上で、必要な体制について調整を行ったのちに飛行します。

ただし、施設の点検業務などで飛行が避けられない場合は、関係者と調整し、飛行範囲を限定した上で、追加的な安全策を講じるなど必要な体制について調整を行ったのちに飛行します。

特定飛行ごとの追加の安全体制について

DID・30m未満の飛行(3-2)

人口集中地区(DID)の上空や、第三者・物件との距離を30m未満で飛行させる場合については、機体にプロペラガードを装備することが必要です。

装備ができない場合については、第三者が飛行経路下に入らないように監視及び優位換気をする補助者を必ず配置する必要があります。

夜間飛行(3-3)

夜間飛行においては、機体の向きが視認できる灯火が装備された機体を使用し、機体の灯火がように見える範囲内で飛行させなければなりません。

必ず日中のうちに飛行前に、現地調査を行い、障害物の有無等を確認し飛行経路を選定します。操縦者については、夜間飛行の訓練を修了している必要があり、離発着場所において車のヘッドライトや撮影用照明機材等で十分に明るく照らすことも求められます。

目視外飛行(3-4)

機体の周囲の状況を監視するため、双眼鏡などを持った補助者の配置が必須となります。

操縦者は、目視外飛行の訓練を修了していなければなりません。

危険物輸送・物件投下(3-5)

危険物輸送の場合は関連法令の遵守、物件投下の場合は専門の訓練を修了した操縦者が行う必要があります。

非常時の連絡体制(3-6)

あらかじめ、飛行場所を管轄する警察署、消防署、そして許可・承認を行った地方航空局等の連絡先を事前にリストアップしておくことが義務付けられています。

夜間等における報告については、24時間運用されている空港事務所に電話で連絡を行う必要があります。

まとめ

いかがだったでしょうか。許可を取得したあとも把握して置かなければならない非常に大事な内容になります。ドローンを飛ばす現場でもすぐ飛行マニュアルが思い浮かぶように、しっかり覚えておくようにしましょう。

飛行許可申請についてご不明点等ございましたら、ぜひ行政書士中井湧也事務所までご連絡ください!