古物商許可_欠格事由について(前半)

古物

古物商の許可を受けるためには、いくつかの要件を満たす必要があります。個人の場合は申請者本人と管理者、また法人の場合は法人役員と管理者が、古物営業法に規定されている欠格事由のいずれにも該当していないことが求められます。

法令に定められた「欠格事由」に該当する場合は、古物商の許可を受けられません。古物商許可申請手続きを進められる場合は、欠格事由に該当していないかの確認を行う必要があります。

今回は、そんな欠格事由について、なるべくわかりやすく行政書士が解説します。

1. 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない方

裁判所に対して自己破産の申立てを行い、手続が開始されると、申立人は法律上「破産者」となります。破産者は、一部の資格や職業が制限されます。その中で、古物商については許可を受けることができなくなります。

もっとも、一定期間を経過するなどして、自己破産をしたことによる制限の解除を「復権」と呼びます。復権することで、破産者ではなくなり、破産手続中に制限されていた資格や職業に従事できるようになります。

復権事由

次のいずれかに該当する場合は復権となります。

破産法
第255条

破産者は、次に掲げる事由のいずれかに該当する場合には、復権する次条第一項の復権の決定が確定したときも、同様とする。
1.免責許可の決定が確定したとき。
2.第二百十八条第一項の規定による破産手続廃止の決定が確定したとき。
3.再生計画認可の決定が確定したとき。
4.破産者が、破産手続開始の決定後、第二百六十五条の罪について有罪の確定判決を受けることなく十年を経過したとき。
第256条
破産者が弁済その他の方法により破産債権者に対する債務の全部についてその責任を免れたときは、破産裁判所は、破産者の申立てにより、復権の決定をしなければならない。

上記の内容をまとめると、以下の通りになります。

①免責許可の決定が確定したとき
②債権者全員が同意したことにより、破産手続廃止の決定が確定したとき
③再生計画認可の決定が確定したとき
④破産手続き開始決定後、詐欺破産罪について有罪判決を受けず10年経過したとき
⑤弁済その他の方法により債務の全部についてその責任を免れ、破産者が裁判所に復権の申し立てをしたとき

上記①から④による復権を「当然復権」といい、特に手続きをしなくても自動的に復権が認められます。復権したかどうか否かを確認するためには、本籍地の市区町村が発行する身分証明書を取得することで、復権の有無を確認できます。

2. 刑罰を受けたことのある方

古物営業法
第4条

公安委員会は、前条の規定による許可を受けようとする者が次の各号のいずれかに該当する場合においては、許可をしてはならない。
二.禁錮以上の刑に処せられ、又は第三十一条に規定する罪若しくは刑法(明治四十年法律第四十五号)第二百三十五条、第二百四十七条、第二百五十四条若しくは第二百五十六条第二項に規定する罪を犯して罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることのなくなつた日から起算して五年を経過しない者

それぞれについて、詳しく見ていきましょう!

禁固以上の刑を受けた場合

犯罪の種類を問わず、禁錮以上の刑(死刑、懲役、禁錮)に処された場合は、その刑の執行が終わった日から起算して5年間は欠格事由に該当し、古物商の許可を受けることができません。

執行猶予の場合

執行猶予期間中は、古物商の許可を取得することはできません。もっとも、執行猶予期間を満了すると、刑法第27条により刑の言い渡しの効力が失われます。そのため、その執行猶予を取り消されることなく期間を満了した場合は、その期間満了の翌日から古物商の許可を受けることができます

一定の犯罪について罰金刑を受けた場合

一定の犯罪とは、古物営業法第31条に規定される罪と刑法の窃盗や盗品に関する罪のことをいいます

古物営業法
第31条

次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
一.第三条の規定に違反して許可を受けないで第二条第二項第一号又は第二号に掲げる営業を営んだ者(無許可営業)
二.偽りその他不正の手段により第三条の規定による許可を受けた者(偽り不正の手段により古物営業の許可を得た者)
三.第九条の規定に違反した者(名板貸し)
四.第二十四条の規定による公安委員会の命令に違反した者(営業停止等命令違反)

刑法
第235条:窃盗罪
第247条:背任罪
第254条:遺失物等横領罪
第256条第3項:盗品等運搬、保管、有償譲受け又は有償処分のあっせん

3. 暴力団員又はその関係者等

法第4条
三.集団的に、又は常習的に暴力的不法行為その他の罪に当たる違法な行為で国家公安委員会規則で定めるものを行うおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者
四.暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)第十二条若しくは第十二条の六の規定による命令又は同法第十二条の四第二項の規定による指示を受けた者であつて、当該命令又は指示を受けた日から起算して三年を経過しないもの

「暴力的不法行為その他の罪に当たる違法な行為で国家公安委員会規則で定めるもの」とは古物営業法施行規則第1条に記載されている違法行為を指します。さまざまな犯罪類型がありますので、申請する際には必ず確認するようにしましょう

暴対法違反により命令又は指示を受けた場合

暴対法(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律)における規定に違反し、都道府県公安委員会等から命令又は指示を受けた日から3年間たっていない者は許可を受けることができません。

これらの規定は、暴力団関係者ではない反社会勢力のチェックとなります。

4. 住居の定まらない方

古物営業法では、常時住居を有しない者は、古物商の許可を受けることができません。住民票記載の住所に住んでいることが必要です。この規定は、事業を健全に運営していくために住居を明らかにしていることで警察による立入調査や指導監督を受けたり、不正が起きた際の責任追及をするために設けられています。

2.まとめ

以上、古物商許可要件について解説しました。申請書類の記載内容に誤りや不備があると、再度提出が必要になります。また、平日に最低2回警察署へ行く必要があるため、普段の業務を行いながら時間を作ることはかえって時間がかかってしまいます。

許認可のプロである行政書士中井湧也事務所にお任せください。弊所は古物商許可専門で申請代行をしております。お急ぎの方はぜひお気軽にご相談ください!

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